- コフィ・アナン (ガーナ / 国際連合第7代事務総長、1938-2018)
Our diversity is our strength. What a dull and unchallenging place it would be if we were all the same.
えー、本日は文化の日でありますな。自由と平和を愛し、文化を尊重し、学術の振興に努める。この崇高な理念を改めて心に刻む日であります。私自身も、長く外交の現場に身を置いてきた経験から、日本の文化を世界に発信し、また世界の多様な文化に触れることの重要性を痛感してきたものであります。
さて、本日ご紹介するのは、国際連合の事務総長を務められたコフィ・アナン氏の言葉であります。
「多様性は私たちの強みだ。皆が同じなら、何と退屈な世界だろう。」
えー、なんというか、この言葉には、彼の生きた壮絶な国際政治の舞台での経験が凝縮されている、と申せましょう。ガーナ出身のアナン氏は、アフリカ大陸が抱える民族間の対立や紛争、そして文化的な差異に起因する様々な困難を肌で感じてこられた。特に、植民地支配から独立後の不安定な状況下では、異なる部族や言語グループ間の摩擦が激化し、まさにその「多様性」が分断の要因となりかねない過酷な現実と向き合い続けたわけであります。その上で、彼は決して多様性を弱みとはせず、むしろそれを平和構築の礎として見据えた。異なる背景を持つ人々が、お互いを理解し、尊重し合うことこそが、真の進歩に繋がるという、まさに普遍的な真理を示していると私は考えます。
私たち日本人は、とかく「同じ」であることに安心感を覚える傾向がある。しかし、グローバル化が進む現代においては、異文化理解は喫緊の課題であります。私の経験から言えば、海外で日本のことを説明する時も、相手の文化や歴史背景を深く知っているかどうかで、その対話の質は大きく変わってくるものです。まさに「朝、希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠ることだ。」という私の言葉にも通ずるものがありますが、多様な文化に触れることは、我々の視野を広げ、新たな知的好奇心を掻き立てる。それは、まさに、我々自身の人間としての器を大きくし、温故知新の精神で未来を築くことに繋がるはずであります。この文化の日に、改めて、自分とは異なるものを受け入れる心の広さ、そしてそれを力に変える柔軟な思考を培うことの重要性を、皆様も考えてみてはいかがでありますか?
引用元:コフィ・アナン / 国連総会スピーチより



